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​ 証言要旨 

 槌田敦「エントロピーと原子力発電」  水戸地裁 1983年11月22日i

 エントロピーの法則
 エントロピーの過程…資源を取り入れて、それを使って、廃棄物にして捨てるという過程全体
 エントロピー…………拡散の程度を示す物理量
 物の拡散………………高濃度の物体が低濃度に広がる
 熱の拡散………………高温の熱が低温に広がる
 廃物・廃熱=エントロピー(汚れ)の固まり
 エントロピー増大の法則=熱力学の第2法則
 (ex.) インクは水の中で広がる。
 (ex.) 活動すればエントロピー。動力→熱
 but
 エントロピー増大にも限度がある。やがて熱的死に至り、そこで活動が止まる。
 活動を続けたければエントロピーを処分する。
 物にエントロピーをくっつけて捨てるか、熱にくっつけて捨てる。
 物理の基本法則………力学(第1、第2、第3)、熱学(第1、第2、第3)
 
 原発とエントロピー
 原発の運転→放射能のエントロピー
 ① 高温の熱でタービンを回して電力を得る→低温の熱が残る→温排水として捨てる→海洋に影響
 ② 放射能は捨てられないので蓄積される=トイレのないマンション
 
 石油の代替にならない
(1) 火力発電=石炭を燃やして電気にする=石炭を直接燃やす発電
(2) 原子力発電=石油を使っていったん原子力にしてから電気にする=石油を間接的に燃やす発電
 ① ウラン鉱石を掘る、集める、加工する=土木機械やその他の装置を使用=石油や石炭の使用
 ② 発電所の建設=世紀湯を燃やしてクレーンを動かす

 持続可能性
 (ex.) 膀胱に尿をためる。
 廃物を一時的に貯めることはあるが、永続的に貯めることはできない。
 生命も社会も同じ。

 人体とエントロピー
 糞・尿=廃物。汗=廃熱。
 [血液の循環、物質の循環]=代謝。

 地球の循環=環境にエントロピーを捨てる。
 植物の死骸(最大のエントロピー)→小動物や微生物が土に戻す。物のエントロピーを熱のエントロピーに変える。
 堆肥に水をかけて放っておくと熱くなって土に戻る。水が蒸発する時に熱のエントロピーを吸い取る。
 熱は捨てられる。​宇宙の放射。
 物は重力で宇宙に捨てられない。水は雨や雪で地上に戻る。

 毒物の捨て方
 (ex.) 生物循環・水循環…物のエントロピーを熱のエントロピーに変えて宇宙に捨てる。
 (ex.) 化学毒物…………化学反応で別の物に変えてから捨てる。
 (ex.) 有機化合物………分解して捨てる。燃やす。
 (ex.) 自動車の排ガス…燃焼の度合を変えてあまり毒物が出ないようにする。
 毒物を他の物に変えて捨てる→お金がかかる。エントロピーが増える。
 放射性物質は捨てることすらできない

 保管は危険→消滅処理が必要
​ ① 容器の腐敗
 ② 移し替えの手間と危険
 ③ 発熱するので冷却が必要
 ④ 地震
 ⑤ 戦争やテロ

 情報の出所  日本原子力発電(株)東海第2原子炉の認可取消しを求める行政訴訟における槌田証言の記録 

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